バタフライを練習するなら知っておきたい初心者に必要なこと
バタフライはもっともシンプルな泳ぎでありながら、中高年スイマーにとっては最も習得しにくい泳ぎとなっています。
また、泳げるようになったように感じても、体力を消耗しやすい勢いだけで泳ぐバタフライになってしまったり、実はタイミングがズレていることに気が付けず、水を引っ張ってしまうことも多いです。
ここでは最も単純な考え方と練習方法を紹介しながらバタフライを解説してみます。
バタフライで腰を痛めてしまった方・手が抜きあがりにくい方・上下動が大きすぎるという方は一度お読みください。
目次
初心者がつまづくポイント
まずは初心者がつまづくポイントです。
バタフライの従来の指導法のデメリット
通常、水泳は分習法といい基本が重視されるキックから練習をすることがほとんどです。
バタフライに関しては少しの間キックは後回しにしてみましょう。
その理由を2つあげてみます。
- 初心者にとって、うねりながら進むようなキックが再現できずに挫折のきっかけになりやすい
- 下半身の動きを理解しないまま膝の曲げ伸ばしを大きく行い、キックが泳ぎの妨げになる
キックで進もうとするとおこるデメリット
初心者はキックの練習時にはキックで進まないといけないと思っています。
キックで進む以前に下半身の動きを理解することが必要ですが、キックで進むことだけが頭にあると、無駄な力みに繋がり動作が大きくなり力任せになります。
その結果次のようなことが起こります。
- 膝の曲げ伸ばしだけでバンバン打ってしまう→効果的な打ち下ろしができない
- 腰椎支点でうねうねしてしまう→尺取虫のような動作になる
- 外に力を伝えられず身体をあちこち痛めてしまう
- わけが分からずただ疲れるだけで身もココロもしんどくなる
キックから入るというだけで
ずいぶんハードルが高くなりますね!
結論から言えば、それよりも両足をそろえた動作が身につくように、次のことをしっかり行ったほうが良いです。
それが「イルカ跳び」といわれるダイブです。
ただしキックだけを壁を使った壁キックなどができる環境であれば、ぜひ先に下半身の動きを理解するために練習を行ってください。
効果的な練習方法
イルカ跳びとその効果
「イルカ跳び」には水泳に必要な様々なメリットがあります。
- 身体を潜らせるための身体の使い方
- 体重を前に乗せる感覚の実感
- 足先まで感じられるために必要な動作の単純さ
- 美しく見える動作にモチベーションが高まる
あげればキリがないくらいイイことばかりですね!
イルカ跳びの段階的な練習のポイント
- 初級でやる入ったら出る単純なイルカ跳び
- 最後に入ってくる足先までを意識をする
- 深く入ったり浅く入ったり狙った幅で入れるようにする(思ったように動ける)
イルカ跳びのシンプルな動きの精度をどんどん高めることによって、水と自分の身体の位置関係を覚えていきましょう。
潜っていくときの腰や足の位置はどうか、出ていくときの下半身の形や位置はどうか、感覚が生まれるまでやってみましょう。
バタフライが泳げない人の多くは、水と自分の身体の位置関係がわからず、見えない部分がどのように動いているかがわかっていません。
これは他の泳法にも言えますが、動作が多くバタバタとすればするほど自分の身体が感覚が拾えずに実感のないまま動くことになります。
タイミングをとらない片手バタフライ
次に練習するのは、このイルカ跳びに片手を付けたものみたいな感じとなります。
通常片手バタフライは、キックとのタイミングを合わせるために行いますが、ここではタイミングをとろうとせずに自然な流れを実感できるよう1つの動作を足すだけにしましょう。
理由は、タイミングをとるというのは実は高度なことだからです。これができなくて諦める人もいるくらいです。
タイミングが良くないから泳げないのに
タイミングをとれというのはちょっと難しいですね。
- 片手を前方に振り下ろした勢いで水中にもぐり
- 手がそろって身体が滑り込んでから
- かきながら水上に出る
ような感じですね。文字で書くとややこしく見えますがやってみれば簡単です。
イルカ跳びに片手を付けただけでありキックを考える必要はありません。
エビぞりバタフライにならないためにも必要な練習ですね。
これは比較的身体が柔らかい中年女性に多いのですが、手のかき終わりで膝が大きく曲がってしまうのですが、身体が柔らかいため無理に手を戻すことができてしまうのです。
こういう状態でも本人たちはあまり違和感がないようです。